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伝統医学と運動原理で創る「かしこい身体」

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腰痛HEADLINE

原因は外と内

腰痛に限らず、肩こりやその他の身体の痛みの原因は様々なものがあり、また「各人で御一つ」というものでもありません。とりあえずわかりやすくするめに、大きく二つに分けて考えてみようと思います。(実際は以下の原因が複合していることが多々あります)

1.外側(運動器官)にある原因
これは多くの方が「思い当たる節がある」と言われるようなことがらです。過労や、合理的でない運動や作業、よくない姿勢を長時間しているなど。わかっていてもやめられなかったり、どう直せばいいのかわからないということが、よく言われます。筋肉への過重な負担は弾力を奪い、やがて筋膜の硬化をもたらします。椎間(ヘルニア)や脊柱管(狭窄症)のトラブルは、その後に続くことであり誰にでも生じるものでもありません。また、仮に病院の検査でヘルニアの診断があった場合でも、痛みやしびれの直接の原因は筋、筋膜の問題であることも少なくありません。

鍼灸や手技療法により、筋、筋膜の問題は寛解できるものがほとんどですので、あきらめずに試してみていただきたいと思います。

2、内側にある原因
これは運動器系の痛みやコリの原因としては意識されにくい方で、内臓や、胃腸の問題から生じるもの、それと精神的な不調和からくるものです。重大な疾患でない限り多くは施術の対象として可能なものです。

A. 内臓や胃腸の問題
病院に行くべきものから、検査しても異常なしといわれてしまうものまで幅広くあります。それらが表面の筋を緊張させることで、神経の神経の牽引などが生じ、痛みが発生するのではないかとも言われています。投薬や手術が絶対必要なものに関しては、医科の治療にお願いするものとして、それ以外が対象となります。

B.心身症としての腰痛
近年メディアでも取り上げられるようになり、数年前から日本でも腰痛治療のガイドラインに遅まきながら入れられた概念です。人間の脳が精神的なストレスにもっとも弱いため、これから逃れるため疼痛物質が放出されたり、筋や血管の収縮が強くなって痛みが生じます。仮病でも、“気のせい”でもなく、自分の知らない間に起きている現象です。ある意味もっとも治りにくい面を持っていますが、心理的な原因を自覚することが最善の道となります。

心理的原因が最初にあっても、鍼灸や手技療法は無駄ではありません。心→身体というプロセスに対し、身体→心という逆操作も可能であるからです。伝統医学では、感情の変化と身体の機能の相関について、現代人以上に深い洞察をしていたのではないかと思われる節があります。心と身体の両面から、痛みに向き合っていくことが早道でしょう。